Ｑ

ヨーガのインストラクターをはじめた頃から、腰痛と生理痛がひどくなったような気がしています。そのようなことがあるでしょうか？

Ａ

最近、同様のご質問を多く受けます。そこで直接の回答にかえて、会報「SHIZENなSHISEI」--平成23年　夏季特集--『なぜヨーガで体を痛めるのか』を掲載いたします。ご参考ください。


平成二十三年辛卯（2011）四巻ー30号：７〜８合併号　特集
特集
姿勢健康58
なぜヨーガで身体を痛めるのか

はじめに

　最近、重度の腰痛や股関節の痛みに悩まされているヨーガ＊１の先生方が遠方から立てつづけに三人お見えになりました。

　お二人は10年以上の指導歴をお持ちであり、他の方は30年近くヨーガを指導されてきたそうです。

　実はこれまでにも、似たような問題を抱えたヨーガ指導者の方々が数多く当地を訪ねてこられています。

　腰痛だけではなく、股関節を壊された方、首の骨が変形された方、こころのモヤモヤが晴れない方、感情バランスの危うい方などと問題はさまざまですが、たぶんその数は100名を越えているのではないかと思います。

　そういう意味からすると、当地はヨーガの先生方の修理工場のような様相を呈しております。

　そもそも、身心の問題を解消している、あるいは解消しつつある ――であろうはずのヨーガの指導者方が、なぜもこれほどまでに体を痛めてしまうのでしょう。

　そこには、伝統という強大な概念によっていとも簡単に隅に押しやられている自然律および科学的論証の薄さと、知ってか知らずかそこに都合よくあぐらをかくヨーガの指導者方と、ヨーガブームに便乗して一儲けしようとする一部の資本家やマスコミが、三つ巴となった結果ではないだろうかと推測します。

　ヨーガの各ポーズ（アサナ）に改善病名や効能が書かれ始めた頃から少々 雲行きは怪しくなりつつありましたが、 「ハリウッドスターやセレブもやってい るヨーガ」などと謳われ始めてのち、 雷が鳴り始め、いまや土砂降り状態で ある ―― とみるのは、独りよがりの妄想なのでしょうか。

　ともかくも、今回は「王様は裸ですよ」と声をかけた少年の素直な心に習い、「なぜヨーガで体を痛めるのか」というお話しをさせていただこうと思います。



＊１ 巷で口にされるヨーガとは、正式にはハタヨーガのアサナである。本文では、便宜上これをヨーガと表記している


次へ⇒　　＜2＞　　＜3＞　　＜4＞　　＜5＞　　＜6＞　　＜7＞

　

-------------------　

上記のご質問に関連して：2012年1月30日--「CNN.co.jp」のニュース--「ヨガのポーズで負傷の恐れ、米でインストラクター資格めぐり論議」というテーマで興味深い記事が掲載されました。
参考：httpwww.cnn.co.jpusa30005449.htmlgoogle_editors_picks=true