Q
昨日受け取りました会報の中での姿斉食養・温性食物についてのお尋ねです。陰陽の見分け方にも色々とあるのではないでしょうか。例えば、構造的にみる陰陽、植物の成長の方向性、成長速度、色、味、形・・・などなど。今回の分類は何を基準にされていますか。それに、しょうがやとうがらしは陰性だと思っていましたが。
A
ご質問ありがとうございます。
おっしゃるとおり陰陽論は何にでもあてはまりますので、どこまでも分類の方法は広がっていきます。
そして、それを極めていくところに現代の化学や物理があります。そんな中にあって、経験的にこれくらいわかっていれば死にゃせんよ・・・というような適当でいい加減な分類が一元三分法ですね。
上中下、前中後、左中右という、積極的あきらめ、見極め、諦観ですか。
ところで食物に関する陰陽論での優先順位は先人方が経験的に決められています。1産地、2、適応環境、3形、4味、5色、6調理法、7・・・と続いていきます。しかし、この優先順位の考え方も流派によって異なります。
ですから、そんな経験論なんかあてにならんよ・・・ということで現代科学が始まるわけです。
なお、『食質』をちゃんと理解するためには、その食物を摂取する対象、つまり食事する人間の『体質』までもが関係してきます。かといってソレが正確かと問われると、そうでもなく、そのときの本人の『体調』が決め手になります。
つまり、陰陽論あるいは一元三分法とは、どこまでいっても相対的なのであり、絶対的ではないのです。最後の答えは本人のみぞ知る。姿斉と同じですね。
ところで、しょうがやとうがらしは、その味をもって温性に分類しています。しょうがは乾燥しているほどその効果が高いといわれます。とうがらしは強温、つまり熱に分類されます。しかし体温を上昇させ,発汗させるしょうがやとうがらしも、リバウンド作用まで追ってみると、身体を冷やすともみてとれます。
さて、どこの時間でくぎって、どの作用を何と見ますか・・・ということですね。
この問答が続くところに禅があります。
『わかったと思った瞬間、わからなくなる』のです。『・・・です。と断言した瞬間、嘘になる』のです。
思考や現実は、当たり前であり奇奇怪怪であり、本当におもしろいものです。